Column
コラム
手術 頸椎後方椎間孔除圧術
首の後ろ側から神経の圧迫を取り除き、首や腕の痛み・シビレの改善を目指す手術
首の痛みや肩・腕の痛み、手のシビレなどが続き、薬やリハビリテーションなどの保存療法で十分な改善が得られない場合には、手術が検討されることがあります。
頚椎後方椎間孔除圧術は首の後ろ側から頚椎にアプローチし、神経根が圧迫されている椎間孔を広げ、神経への圧迫を取り除く手術です。
椎間孔とは、頚椎の骨と骨の間にある神経が脊柱から外へ出ていくための通り道です。
骨の変形や椎間板の突出によって椎間孔が狭くなると神経根が圧迫され、首から肩、腕、手にかけて痛みやシビレが生じることがあります。
頚椎後方椎間孔除圧術では後方から圧迫している骨などを部分的に削り、神経が通るスペースを広げることで症状の改善を目指します。
1. 頚椎後方椎間孔除圧術とは
頚椎からは肩や腕、手などにつながる神経が左右に分かれて出ています。
この神経が通る椎間孔が狭くなると神経根が圧迫され、首の痛みだけでなく肩や腕の痛み、手のシビレなどの症状が現れることがあります。
頚椎後方椎間孔除圧術では首の後ろ側から椎間孔へアプローチし、神経を圧迫している骨や関節の一部などを取り除きます。
神経が通るスペースを広げ、神経根への圧迫を解除し、症状の改善を目指します。
2. 頚椎後方椎間孔除圧術の特徴と強み
2-1. 後方から神経根の圧迫を直接解除
首の後ろ側から手術を行い神経根が通る椎間孔を確認します。
神経を圧迫している骨の突出や関節の変形などを必要な範囲で取り除き、神経が通るスペースを広げます。
2-2. 椎間孔を広げて神経の通り道を確保
椎間孔が狭くなっている場合、神経根が圧迫されることで痛みやシビレが生じます。
手術では椎間孔を広げることで神経の圧迫を解除し神経が通るスペースを確保します。
2-3. 頚椎の動きを温存できる場合がある
頚椎後方椎間孔除圧術は神経根の圧迫を取り除くことを目的とした手術です。
椎間板を取り除いて頚椎を固定する手術とは異なります。
患者さんの状態次第では椎の動きをできるだけ温存することが期待できる点が特徴です。ただし、椎の不安定性や強い変形などがある場合には、除圧術だけではなく固定術が必要となることがあります。
2-4. 症状の原因に合わせて手術方法を選択
神経症状は、神経根の圧迫だけでなく脊髄の圧迫や頚椎の不安定性など、さまざまな原因によって起こります。
そのためMRIやCTなどの画像検査を行い症状と画像所見を総合的に判断し、適切な手術方法を検討します。
3. 頚椎後方椎間孔除圧術はどのような病気に行われる?
頚椎後方椎間孔除圧術は主に頚椎の神経根が圧迫され、首から肩・腕・手にかけて痛みやシビレなどの症状がある場合に検討されます。
代表的には、
- 頚椎症性神経根症
- 頚椎椎間板ヘルニア
- 頚椎椎間孔狭窄症
- 頚椎の骨の変形による神経根圧迫
- 頚椎の椎間関節の変形による神経根圧迫
などがあります。
ただし、すべての患者さんにこの手術が適しているわけではありません。
脊髄の圧迫が強い場合や頚椎に不安定性・強い変形がある場合は、別の手術方法が適していることがあります。
4. 頚椎後方椎間孔除圧術の手術方法
4-1. 首の後方から頚椎へアプローチ
全身麻酔で手術を行い、首の後ろ側を小さく切開して頚椎へ到達します。
手術する椎間孔の位置を確認しながら、周囲の筋肉や組織に配慮して進めます。
4-2. 神経根を確認
頚椎の後方から椎間孔周囲を確認し、神経根を圧迫している部分を確認します。
骨の変形や骨棘など、神経を圧迫している原因を特定します。
4-3. 椎間孔を広げる
神経根を圧迫している骨や関節の一部などを必要な範囲で削り、椎間孔を広げます。
神経根が十分に通るスペースを確保し、神経への圧迫を解除します。
4-4. 神経の圧迫を解除して終了
神経根への圧迫が解除されたことを確認し、手術を終了します。
頚椎の状態によっては、除圧のみで治療できる場合がありますが、不安定性などがある場合には固定術を組み合わせることがあります。
5. 頚椎後方椎間孔除圧術の注意点・合併症
頚椎後方椎間孔除圧術は神経根の圧迫を取り除くための手術ですが、合併症のリスクがまったくないわけではありません。
頚椎周囲には神経や脊髄など重要な組織があるため、手術に伴って神経症状が生じたり、既存の症状が悪化したりする可能性があります。
そのほか感染症、出血、髄液漏、神経障害などが起こる可能性があります。
また除圧する範囲によっては術後に頚椎の不安定性が生じる可能性があります。
さらに、神経の圧迫を解除しても、神経の障害が長期間続いている場合には痛みやシビレなどの症状が完全には改善しないことがあります。
手術を受ける際は手術に伴うリスクや術後の経過についても、医師から十分な説明を受けることが大切です。
6. 術後のリハビリテーション
術後は全身状態や神経症状を確認しながら段階的にリハビリテーションを行います。
まずは離床や歩行訓練を行い日常生活に必要な動作の回復を目指します。
手術前から筋力低下や運動障害がある場合には患者さんの状態に合わせて筋力訓練などを行います。また術後の首や肩周囲の状態を確認しながら無理のない範囲で、身体機能の回復を進めていきます。
7. 初診から退院までの流れ
7-1. 初診・診察
首の痛みや肩・腕の痛み、手のシビレ、筋力低下などについて詳しく確認します。
必要に応じてレントゲン、MRI、CTなどの画像検査を行い、神経根の圧迫部位や椎間孔の狭窄状態を確認します。
7-2. 手術適応の判断
症状の程度や経過、画像検査の結果、神経根の圧迫状態などを総合的に判断し、手術が適しているかを検討します。保存療法で改善が得られない場合や神経症状が続いている場合などに手術を検討します。
7-3. 術前検査
安全に手術を受けていただくため、血液検査や心電図などの術前検査を行います。
服用中のお薬についても確認し、必要に応じて休薬などのご案内を行います。
7-4. 頚椎後方椎間孔除圧術
首の後方から頚椎へアプローチし、神経根を圧迫している骨や関節の一部などを取り除きます。椎間孔を広げ、神経根への圧迫を解除します。
7-5. 術後リハビリテーション
全身状態や神経症状を確認しながら離床・歩行訓練を開始します。
回復状況に合わせて、日常生活動作の練習や必要なリハビリテーションを行います。
7-6. 退院
全身状態や神経症状、日常生活動作などの回復状況を確認したうえで退院となります。
退院後の生活上の注意点や、必要なリハビリテーションについてもご説明します。
7-7. 外来フォロー
退院後は定期的に外来で診察を行い、首や肩・腕の痛み、手のシビレなどの症状を確認します。必要に応じて画像検査やリハビリテーションを行い、回復をサポートします。
8. 退院後の生活とフォローアップ
術後は首に過度な負担をかけないよう注意しながら、日常生活へ復帰していきます。
手術後に神経の圧迫が解除されても神経が回復するまで時間がかかる場合があります。
そのため、経過をみながら回復を確認していくことが重要です。
定期的な外来診察を行い、症状の変化や神経の状態を確認します。
仕事や運動への復帰時期については、手術内容や回復状況によって異なるため、医師の指示に従って段階的に復帰することが大切です。
9. 一人ひとりの頚椎の状態に合わせた治療を
頚椎の神経根症は、神経が圧迫されている場所や原因によって、首から肩、腕、手に現れる症状が異なります。
そのため症状だけでなくMRIやCTなどの画像検査を組み合わせ、どの神経がどこで、どのように圧迫されているのかを確認することが重要です。
頚椎後方椎間孔除圧術は、首の後方から神経根の通り道である椎間孔を広げ、神経への圧迫を解除する治療方法の一つです。
首から肩・腕・手にかけての痛みやシビレが続いている方、薬やリハビリテーションを続けても症状が改善しない方は症状を我慢せず、まずは専門医にご相談ください。
ハッシュタグ

