Column
コラム
手術 単顆人工膝関節置換術(UKA)
1.単顆人工膝関節置換術(UKA)とは
1-1.膝の痛みの原因と変形性膝関節症
膝の痛みは中高年の方に多くみられる症状の1つです。その代表的な原因が変形性膝関節症です。
変形性膝関節症は、関節の軟骨がすり減ることで痛みや腫れ、動かしにくさが生じる疾患です。
進行すると歩行や階段の昇降が困難になるなど日常生活に大きな影響を及ぼします。
1-2.単顆人工膝関節置換術(UKA)の概要
単顆人工膝関節置換術(UKA:Unicompartmental Knee Arthroplasty)とは
膝関節のうち傷んでいる一部分(単顆)のみを人工関節に置き換える手術です。
膝関節は内側、外側、膝のお皿の裏側(膝蓋大腿関節)の3つの区画で構成されています。
UKAはこれらのうち内側または外側のどちらかに問題がある場合に行われます。
1-3.人工膝関節全置換術(TKA)との違い
人工膝関節の手術には人工膝関節全置換術(TKA)と単顆人工膝関節置換術(UKA)があります。
TKAは膝関節全体を人工関節に置き換える手術で重度の変形性膝関節症に対して行われます。
一方、UKAは健康な骨や靱帯を温存できる点が特徴です。膝の状態によっては体への負担を抑えた治療が可能となります。
2.UKAの特徴と適応となる疾患
2-1.UKAの特徴
UKAには次のような特徴があります。
- 手術範囲が比較的小さい
- 健康な骨や靱帯を温存できる
- 術後の回復が早い傾向がある
- 自然な膝の動きが保たれやすい
これらの点から適応となる方にとっては生活への影響を抑えた治療が期待できます。
2-2.UKAが適応となる主な疾患
UKAは膝関節の一部分に起きた病変に対して行われます。
・変形性膝関節症(内側型・外側型)
最も多い適応疾患が変形性膝関節症です。
特に膝の内側または外側だけに軟骨のすり減りや変形がみられる場合に適応となります。
・大腿骨顆部骨壊死
大腿骨顆部骨壊死もUKAの適応となることがあります。
病変が膝関節の一部分に限局している場合
2-3.UKAが適応となる主な疾患
- 膝関節全体に高度な変形がある
- 強い関節の不安定性がある
- 靱帯機能が保たれていない
- 関節リウマチなど炎症性疾患で関節全体に病変が及んでいる
3.当院のUKA治療方針
当院では患者さん一人ひとりの膝の状態や生活背景や活動レベルを考慮し、適切な術式の選択を行います。UKAはすべての方に適するわけではありませんが適応となる方には体への負担を抑えながら
膝機能を改善できる術式としてご提案しています。
診察では膝の痛みの部位、可動域、靱帯の状態を丁寧に評価し必要に応じてレントゲンやMRI検査を実施します。そのうえで、患者さんご自身の希望や生活スタイルもふまえて、最適な治療計画を立てます。
4.当院における手術から退院までの流れ
手術前から退院後まで、一貫した医療体制でサポートします。
4-1.診察・検査
膝関節の状態を詳しく評価し、UKAの適応の有無を判断します。
必要に応じてレントゲンやMRI検査も行います。
4-2.術前計画
痛みの原因を把握し、最適な人工関節の位置や手術方法を計画します。
4-3.手術
痛んだ部分のみを人工関節に置き換え、関節の動きを再建します。
4-4.術後リハビリ(手術翌日〜)
早期から歩行練習や膝の曲げ伸ばしなどの可動域訓練を開始します。
4-5.歩行回復
多くの場合、術後数日で杖歩行が可能になります。
4-6.退院(目安:2〜4週間)
体力や生活環境に応じて、退院時期を調整します。
4-7.外来フォローアップ
退院後は定期的な診察により、膝の経過を確認します。
5.リハビリテーション
当院では、術前から退院後まで理学療法士が段階的にリハビリを行い、術後のQOL(生活の質)の向上を目指します。
- 術前リハビリ:筋力増強や可動域改善の準備
- 早期リハビリ:術後すぐに立位・歩行訓練
- 可動域訓練:痛みに配慮しながら段階的に進めます
- 筋力再建訓練:大腿四頭筋や臀筋の強化
- 生活動作練習:階段昇降や車の乗降など日常生活に即した練習
ハッシュタグ

